2012年10月18日木曜日

2012年10月14日 at Cafe GOTO

 先日はどうもありがとうございました。
 古本、喫茶と散歩なんていうのに引っかかるだけあって、皆さんさすがの読書量。あれだけ自己紹介の時間が長い会というのもなかなか珍しいのではないでしょうか笑。大学二、三年にしてすでに蔵書の処理に困っているというのがおかしかったです。

 取りこぼしもあるはずですが、会のなかで皆さんの口にのぼった本のタイトルその他を思い出して書きつらねてみます。

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・いとうせいこう、奥泉光、渡辺直己『文芸漫談 笑うブンガク入門』集英社、2005年
・吉田健一『英語と英国と英国人』講談社文芸文庫、1992年
・シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』吉田健一訳、集英社文庫、1979年
・イーヴリン・ウォー『ブライヅヘッドふたたび』吉田健一訳、ちくま文庫、1990年
・安岡章太郎、山之口貘
・荒川洋治『忘れられる過去』朝日文庫、2011年
・荒川洋治『詩とことば』岩波現代文庫、2012年
・干刈あがた『ウォークinチャコールグレイ』講談社文庫、1993年
・尾崎一雄『暢気眼鏡・虫のいろいろ』高橋英夫編、岩波文庫、1998年
・小沼丹『小さな手袋』講談社文芸文庫、1994年
・小沼丹『黒と白の猫』未知谷、2005年

 この辺でたしか菊地信義の装幀の話。好き嫌いがきっぱり分かれるよね、とか。〈講談社文芸文庫〉のカバー・フォーマットや〈河出文庫〉での装幀、蜂飼耳『孔雀の羽の目がみてる』のチリのことなど。

 ちなみに、ひとつ前の〈河出文庫〉では粟津潔が、現在新刊書店に並んでいる〈河出文庫〉(2005年〜、黄色の背)では佐々木暁が、それぞれカバー・フォーマットを考案したそうです。そのときどきの尖ってる人を採用している感じ。ところで昭和29年に始まった初代〈河出文庫〉には装幀者の表記がありませんでした。ひとむかし前は編集者がみずから本の装幀を手がける場合も多かったそうなので、あるいはこれなどもその伝かもしれません。
 さらに。〈河出文庫〉に先立つ〈河出市民文庫〉(昭和25年前後)のデザインは猪熊弦一郎によるものでした。これは文庫の表紙に初めて強めの色(オレンジと白の二色)を使ったケースとして記憶されるのではないでしょうか。猪熊はマティスに師事したこともある洋画家ですが、三島の『仮面の告白』(河出書房、1949年)や安岡章太郎『悪い仲間』(文藝春秋新社、1953年)などの装幀を手がけてもいます。そういえばちょうどこの夏に『物物』と題する、猪熊弦一郎が集めた物を! 岡尾美代子が選んで! ホンマタカシが撮影して! 堀江敏幸がエッセイ寄せる! という!(ぜえぜえ)贅沢きわまりない本が出ましたね。図書館に購入希望申請してみようかな。

・ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』篠田一士訳、河出書房新社〈池澤夏樹=個人編集 世界文学全集〉、2008年
・三島由紀夫『仮面の告白』新潮文庫、2003年
 →『初版本完全復刻版 仮面の告白』というのが河出から出ているみたいです。
・マルグリット・ユルスナール『三島由紀夫あるいは空虚のヴィジョン』澁澤龍彦訳、河出文庫、1995年
・牧野信一『ゼーロン・淡雪』岩波文庫、1990年
・フランツ・カフカ『城』前田敬作訳、新潮文庫、1971年
・『李賀詩選』黒川洋一訳注、岩波文庫、1993年
・内田百閒『百鬼園随筆』旺文社文庫、1980年

 この辺で西荻窪話に。盛林堂書房さんは百閒のみならず日本文学の渋いところ、講談社文芸文庫やちくま文庫など文芸系の厳選文庫、ミステリ初版本、60〜80年代を中心とする海外文学、とくに怪奇幻想文学の筋のいい本(森開社系というか、創土社系というか)などを揃えてくれているので、いつ行っても眼が幸せです。この間は人品いやしからぬご婦人がマルセル・シュオブをまとめ買いしている場面に遭遇してしまいました。やはりだいぶ磁場がゆがんでいます。また盛林堂といえば土曜朝一の百円均一本の補充は必見(出る品もおどろきですが、古本者たちの物言わぬすばやい挙措に注目)。均一棚で会おう!…

・レオポルド・フォン・ザッハー=マゾッホ『魂を漁る女』(藤川芳朗訳、中公文庫、2005年)
・ヤン・シュヴァンクマイエル
・マルセル・シュウォッブ『黄金仮面の王』矢野目源一訳、コーベ・ブックス、1975年
・マルセル・シュオブ『架空の伝記』大浦甫訳、南柯書局、1980年
・ダニロ・キシュ『砂時計』松籟社〈東欧の想像力〉、2008年
・松籟社〈イタリア叢書〉のイタロ・カルヴィーノ
・須賀敦子『本に読まれて』中公文庫、2001年
・ナタリア・ギンズブルグ『ある家族の会話』須賀敦子訳、白水Uブックス、1997年
・『ウンベルト・サバ詩集』須賀敦子訳、みすず書房、1998年
 →ここに収められた詩篇は河出文庫版『須賀敦子全集〈第5巻〉』にも再録されています。
・堀江敏幸『郊外へ』白水Uブックス、2000年
・堀江敏幸『正弦曲線』中央公論新社、2009年
・金井美恵子『愛の生活』筑摩書房、1968年
・ジュリアン・グラック『シルトの岸辺』安藤元雄訳、ちくま文庫、2003年
・エリザベス・ボウエン
・ジャン・ルノワールの映画『ピクニック(1936)』(バタイユの奥さんが出てるとか)、『河(1951)』(吉田健一が好きそうな設定だとか)


どうも半分ぐらい忘れてる気がする…
メールくだされば補筆・訂正いたしますのでお気軽にー


2011年11月1日火曜日

フラヌールの説明会のおしらせ

11月19日の土曜日、夕方過ぎの18時より、早稲田大学学生会館にて当サークルの説明会を行います。

しかしじつのところ、フラヌールはこれからどんなものになるだろうかと主催の者もあれこれ想像をめぐらせている段階です。そのため一方的な説明、紹介だけでなく、集まって頂いた皆さんとともに適切なやり方や適当な雰囲気をさぐってゆくかたちになるかと思います。辛抱づよくお付き合い頂ければ幸いです。

「フラヌールの説明会」
11月19日(土)/18時より
於早稲田大学学生会館 W504
集合:18時に早稲田大学学生会館正面玄関(地図:http://bit.ly/vLkeUY

ご参加を希望の方は下記メールアドレスまで、お気軽にご連絡ください。
parakeets.stomp.domingo[at]gmail.com(藤田)

2011年10月31日月曜日

フラヌールの端書き

私たちフラヌールは、古本、古本屋、それから喫茶と散歩を愛する学生の集まりです。部室はまだ無い。
「フラヌール flâneur」とは、二十世紀ドイツの思想家であるヴァルター・ベンヤミンがその浩瀚な、そして論を名乗っているわりにはどこか楽しげに散漫な著作『パサージュ論』のなかで「遊歩者」という訳語をあてたフランス語です。

学生の数だけサークルが存在するといわれる早稲田大学。当然のこと文芸サークルは数あれど、その足取りに勝るとも劣らず懐の軽い早大生にとって肝心要であるはずの「古本」をテーマとしたサークルがないのを寂しく思っていました。また、古本の世界には珈琲や紅茶、そして散歩といった趣味が浅からず関わっているらしいことをつねづね感じており、有志数名の協力もあって、あらたにサークルをたち上げることにいたしました。
古本という宏大な一語の下、ジャンルや年代にこだわりすぎることなく、好きな本や見かけた本、話に聞いた本の話などを、緩々と気ままに交わすことが活動の基本となります。たとえば各人おすすめの喫茶店で、あるいは散歩の道すがら。短篇小説やエッセイを題にとった小さな読書会も、いずれは催してみたいと考えています。

日本文学、海外文学、詩、随筆、美術、漫画、映画、音楽……。それぞれ趣味はてんでばらばら、それでも気兼ねのない仲間にお互いはっぱをかけ合って、季刊程度のペースで小冊子を編んでみるのもいいかもしれません。書評やエッセイ、古書店や喫茶店の探訪記、珈琲豆比較レポート、買う前から古本みたいななりをした新刊書を紹介する「古本のタマゴ」だとか、「散歩してたら」と題して起きぬけの路面電車の写真を撮ったり等々、色々なかたちが考えられそうです。

とはいえ何といっても遊歩者なのだから、どちらかといえば好きなものとその周辺でフラフラすることに重きをおきたい。そんな向きにうってつけの、良い古本屋、喫茶店、散歩コースと三拍子揃った地域がいくつか思い浮かびます。わめぞ(早稲田・目白・雑司ヶ谷)、谷根千(谷中・根津・千駄木)、神田神保町、それから阿佐ヶ谷や西荻窪といった中央線界隈。これら一帯の喫茶店などを主な活動場所に据えたいと思います。大学図書館の談話室や近隣のメンバー宅を利用することにもなりそうです。

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新入生はもちろんのこと、二年ないし八年目の方、大学院生、他大学生、いわゆるセカンドサークルとして利用したい方、まだ古本屋になじみではなかったり、珈琲、散歩はこれからという方まで、少しでも興味を持って頂けたのであればどなたでも歓迎いたします。ぜひお気軽に声をお掛け下さい。十一月の初めに、簡単な説明会を予定しております。

大人数の前で研究成果を披露するのではなく、また侃々諤々の議論を戦わせるのでもなく、ただ「誰かと本の話がしたい」と思ったことはありませんか。私たちを含む、そうしたいくぶん及び腰の人びとが古本、喫茶と散歩をめぐって様ざまに交流していくうちに、それぞれが生活のなかにあたらしく、充実した時間を見つけることのできるようなサークルを作りたいと思っています。

以上でフラヌールの最初の頁は終わりです。続く二頁目、三頁目に、この端書きを読んで頂いたあなたの名前が加わることになれば嬉しく思います。